知多半島は面白い!地元再発見。知多半島情報サイト『知多半島ネット』
[知多半島 ネット] → [ ちたびと ] → 榊原正康 氏











 お遍路さんたちの先頭に立って巡礼を導き、各寺院の紹介もする。知多四国霊場は98カ寺ある。各寺院についてばかりでなく、徒歩・車・大型バスなどのためのコースや駐車場などについても熟知しなければならない。大変な仕事だ。10年前まで全く関心のなかった知多四国霊場の先達の仕事が、今は生き甲斐だと榊原氏は言う。

「初めは知多四国霊場について、とくに関心はなかった」

40年以上勤めた会社を定年退職して間もなく、武豊町にある自宅の近所の人から「知多四国霊場のお参りをするから一緒にどうですか」と誘われた。これが最初だった。
「知多四国霊場については、全く興味も関心もなかったですね。どうしようかと迷って、結局参加したんですが、それが発足して2年目になる寿詣(すまい)る会だったんです。初めはみなさんの後ろについて歩いてました。いつやめようかなんて思ってましたね。でも、お寺さんなどとだんだん親しくなったりして、気持ちが変わってきたんです。その頃に、名鉄の「歩いて参拝(まいる)知多四国」が始まって、第1回の時、豊明の曹源寺(1番札所)から大高(名古屋市緑区)の長寿寺(87番札所)までの表示張りを手伝ったんです。1年間でしたね。それで、霊場会のお寺さんから“先頭でお遍路さんを連れて行って欲しい”と言われたんです。先達になったのは平成18年の春でした」と、榊原さんは当時のことを話す。
先達になって、各寺院について猛勉強を始めた。山門を入って正面は本堂か、弘法堂はどちらか。御本尊はどこか、どちらを向いているか…。こと細かに綴られた数冊の記録ノートには、自ら集めた情報がびっしりと書き込まれている。
「いろいろなことを勉強しましたね。大御堂寺、医王寺、高讃寺、観福寺などはほんとに歴史のあるお寺で、知多半島にこんなに古刹があったのかと思いました。各寺院の宝物とか霊験ばなしや独特の難しい宗教用語なども、知るほどにおもしろいし奥が深いなぁと思うんです」

「70歳ですけど、まだまだ続けますよ」

先達として心掛けていることは“とにかくお遍路さんたちが解りやすいように”ということだという。「団体さんの場合は、最初にバスに乗った時に、初心者なのかどのくらい回った人たちなのかを訊くんです。初めての方なら、できる限りていねいにゆっくりと説明するようにしています。仏教の言葉は難しいものが多いですし、せっかく遠くから来て頂いて、知多四国のことや寺院のことをきちんと知ってもらえないのは残念ですからね」。そして「自分の本心・本義の気持ちでお祈りされている方の姿は、実に美しいですね」とつけ加えた。
「最初にみなさんについて曹源寺に行った時、たまたま大雪の日でしてね。これは大変なことだなぁと思いましたよ。でも回っている内に、定期的に会のみなさんに会うのが楽しみになりましたね。今も、お参りにくる人たちに親しみを感じます。初対面の人でも、ひとつのことに向かっているということもあって、互いの心が通じやすいんです。みなさんと会話をし、いろんなことを教え合ったりするのは、楽しいし素晴らしいことだなと感じます。先達になってなかったら、知り合うこともなかった人たちかもしれません。そう思うと感動的ですね。先達は、まだまだ続けますよ」と言いながら、今年ちょうど70歳というには若々しい顔がかろやかにほころんだ。



Copyright:(C) 2007 EdiT All Rights Reserved.