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センターワンホテル半田は平成14年7月にスタートした。知多半田駅前再開発を機に、それまで55年間続いてきた製造業からビジネスホテルへの事業転換だった。ノウハウのない全く異なった業種へ、しかも知多半島最大の126室という規模での業界進出は大冒険ともいえるものだった。果たして1年目は平均で50%を大きく割る稼働率。2年目に入り、他ホテルとの差別化の徹底検証を行ったことなどから稼働率は60%に乗ってきた。
3年目となる平成17年。セントレア開港間近ということもあって70〜80%となり、愛知万博の時には90%を越える稼働率を達成。そして、心配された「万博特需後」だったが、10月以降も80%以上を維持。「これでやっと、このホテルが認知された。さあこれからが勝負だ」と思っていた矢先の11月中旬、突然、耐震強度偽装のニュースが流れたのだ。
「テレビに映し出されるホテルやマンションの質感、形態がうちと一緒なんですよ。不安になって構造計算書を取り出して調べたら、あの姉歯建築士の名がありました。すぐ他の構造計算事務所で調べたのですが、やはり〈偽装あり〉との結果だったんです」。中川三郎氏は最初に報道を目にした時のことを話す。
中川氏の対応は速かった。即、自主休業を決定。「震度5強の地震で倒壊の可能性あり」とされた建物は、周囲の安全性のため解体することとした。
融資を得て再建築を決めたのは翌18年3月。同年6月着工、今年の春に完成。再建なったホテルは全150室、和室の設定、完全個別空調の導入など、さらに安全・安心・快適のための充実が施されて、4月16日にグランドオープンした。
「休業期間1年4ヶ月というのは、実に長かったですね。ですから他所に安定的に勤務していた元の従業員が半数もどってきてくれたことには本当に感謝しています。また、事件を知りながら、決して安定した大企業とは言えないところに入社してくれた新人社員についても同じ思いです」。
「今回、様々な場面でいくつかの決断をしなければならなかったわけですが、その中で思ったことがいくつかあります。それは〈厳しい状況に置かれた時にも、決して周りのせいでこうなったとは考えない。そして私たちは生まれ持った能力の限界や、その時々の環境を乗り越えられるものを持っている。それが人間というもの。自分に勝てれば必ず厳しい状況を克服することができる〉ということです。自分自身に負けると言うのは、自分に対する最大の侮辱だと思いますね」。
再スタートから半年。月1回の全社ミーティングでは若い社員の意見が飛び交う。提案の採用も積極的だ。再生センターワンホテル半田の稼働率は、着実に上昇を続けている。各ポジションでのスタッフの溌剌とした表情や動きを目にして頭に浮かんだのは、取材中に聞いた「いくら新しい建物を造っても、最終的に魂を入れてくれるのはスタッフですから」という中川氏の言葉だ。






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